播州そろばん

播州そろばん
そろばんは室町時代の終り頃、中国から長崎を経由して大津に伝わりました。
安土桃山時代に、豊臣秀吉の三木城攻略時に、大津に逃れた住民が、そろばんの技法を習得し、地元に帰って製造を始めたのが播州そろばんの始まりと言われています。昭和35年には360万丁と最も多く生産されましたが、その後電卓の出現によって、その需要は減少しています。

概要

工芸品名 播州そろばん
よみがな ばんしゅうそろばん
工芸品の分類 文具
主な製品 そろばん
主要製造地域 小野市、加西市、三木市、加古川市、加東市
指定年月日 昭和51年6月2日

特徴

そろばんの玉はカバ・ツゲの木から、枠にはコクタン等、堅くて重い天然の木を用いています。「うろこ細」等繊細な伝統技術によって組み立てられたそろばんは、使いやすさ、珠(たま)はじきの良さに加え磨き上げられた美しさを備え、まさに木の美術品としての価値も備えています。

作り方

原木の選定から始め、十分乾燥させた後に珠削り、軸のひごひき、枠等の製材を行い、それぞれの材料に仕上げます。それを中桟、上下左右の枠、うら板に加工し、軸に珠を入れて枠を組み、歪みを直して目止めで固定します。最後に艶出しをかけて仕上げます。
播州そろばんの作り方