備前焼
備前焼の歴史は古く、平安時代にすでに作られていました。日本六古窯の一つに数えられ、千年の歴史を持つ陶器(厳密には「せっ器(「せっ」は火へんに石)」)として全国的に有名です。
室町時代末期頃からその素朴さが、茶人たちに愛され、茶道具が多く作られるようになりました。
江戸時代に入ると藩の保護もあり、全国に広まりました。昭和の初期「備前焼の中興の祖」と言われた金重陶陽や藤原啓、山本陶秀が人間国宝の指定を受ける等、順調な歩みを続けました。
概要
工芸品名 |
備前焼 |
よみがな |
びぜんやき |
工芸品の分類 |
陶磁器 |
主な製品 |
食器、酒器、茶器、花器、置物 |
主要製造地域 |
備前市、岡山市、瀬戸内市 |
指定年月日 |
昭和57年11月1日 |
特徴
素朴で重厚な作風、土味の持つあたたかさ、使い勝手のよさに特徴がありますが、最大の特徴は窯変(ようへん)にあると言えます。焼く時の窯の中の状態によって、焼き物の色や表面が変化する自然の産物である窯変のために、備前焼は全く同じ作品がニつと作れない自然の芸術となっているのです。
作り方
備前焼は釉薬(ゆうやく)を使わず、絵付けもしないで、焼き上げます。窯は登り窯で、燃料には赤松を使用し、約1230度の高温で、窯の大小により期間は異なりますが、約2週間前後薪を焚き続けます。その間、窯の中で作品の表面が、高熱と炎や灰などの作用を受けて変化するのが窯変です。