越前漆器

越前漆器
始まりは古く、6世紀にまで遡ると伝えられています。当時の天皇に冠の塗り替えを命じられた漆塗りの職人が、
黒塗りの食器を献上したところ、その艶の見事さに深く感銘され、製作を奨励されたのが越前漆器の始まりと伝えられています。

概要

工芸品名 越前漆器
よみがな えちぜんしっき
工芸品の分類 うるしの器
主な製品 椀、膳、盆、重箱
主要製造地域 福井市、鯖江市、越前市
指定年月日 昭和50年5月10日

特徴

挽物はトチノキ、ミヅメ、ケヤキ等の木を縦方向に立木挽きします。塗りは花塗(はなぬり)という、刷毛の跡やほこりが付かないように仕上げの漆を塗り、そのまま乾燥させる技法が特徴です。堅牢な下地作りに塗り重ねた艶と、優雅な作りには定評があります。別名、河和田塗としても知られています。

作り方

挽物は、柿渋に地炭粉(しずみこ)と松煙という松を燃やして作ったススを混ぜ合わせたものを繰り返し塗ります。 板物は、地の粉下地で、生漆に地の粉、米で出来た糊等を混ぜ合わせたものを繰り返し塗ります。中塗り、上塗りは精製漆を使って刷毛で塗り上げます。また、加飾は、沈金や蒔絵等を施します。