越前和紙

越前和紙
今から1500年程前、この村里の岡太川に美しい姫が現れて紙漉(す)きの技を教えたと伝えられています。奈良時代には、仏教の経を写すための写経用紙として重用されました。
その後、武士が紙を大量に使い出す時代になる頃には、紙漉きの技術、生産量も向上して「越前奉書」等高い品質の紙が作られるようになり、紙の産地として幕府や領主の保護をうけて発展しました。近代では、横山大観を始めとした多くの芸術家たちに強く支持され、全国にその名が知られています。

概要

工芸品名 越前和紙
よみがな えちぜんわし
工芸品の分類 和紙
主な製品 木版画、襖(ふすま)紙、印刷、免状、書道、日本画、色紙、封筒、便箋(びんせん)
主要製造地域 越前市
指定年月日 昭和51年6月2日

特徴

温かみに満ちた優雅な肌合い、また紙そのものの持つ風格、強靱さ等言葉では言い表せない「生成(きなり)」の豊かな感性を持ち、「日本文化」が息づく和紙です。

作り方

コウゾ、ミツマタ、ガンピ、麻を原料にトロロアオイの粘液を加え、「流し漉き」、「溜(た)め漉き」等の技法で紙漉きを行っています。液状になった紙の材料の入った「漉き漕(そう)」の中で、「漉き桁(けた)」という簀(す)を使った道具を手で微妙に動かします。その微妙な揺り動かしに合わせて「漉き桁」の中の紙の水が簀の上を動きまわることで、和紙の繊維が絡み合い、一枚の美しい紙が漉き上がります。