江戸からかみ
からかみの源流は、平安時代の和歌を筆写する詠草料紙にまで溯りますが、中世以降には襖や屏風などにも貼られるようになりました。江戸時代、徳川幕府による江戸の街づくりが進む中で、需要も拡大し独自の発展を遂げました。
江戸時代半ばの「和国諸職絵尽」には、当時の職人として江戸のからかみ師が描かれていますので、すでにからかみ職人が活躍していたことがわかります。
概要
工芸品名 |
江戸からかみ |
よみがな |
えどからかみ |
工芸品の分類 |
その他の工芸品 |
主な製品 |
襖(ふすま)、壁、天井、障子、屏風用の加飾された和紙 |
主要製造地域 |
文京区、台東区ほか7区市、千葉県/松戸市、埼玉県/比企郡ときがわ町 |
指定年月日 |
平成11年5月13日 |
特徴
「からかみ」とは、襖や障子、屏風などに貼る加飾された和紙のことをいいます。江戸の街で発展した「江戸からかみ」は、町人文化を反映した自由闊達でのびやかな文様が好まれ、モチーフも日常生活に馴染み深いものや自然の草花など季節感溢れる文様が多いといえます。
作り方
加飾の技法には、木版手摺りのほか、渋型捺染手摺りや金銀箔砂子手蒔きなどが用いられ、それらは各々からかみ師、更沙師、砂子師といった職人に伝承されています。