江戸木目込人形
江戸時代中期に、京都上賀茂神社で祭事に使う、柳筥(やなぎばこ)の材料である柳の木の残片で、神官が、木彫の小さな人形を作り溝を付けて、そこに神官の衣装の残りの布を挟んで着せ付けたのが始まりだと言われています。
当初は賀茂で作られたため「賀茂人形」と呼ばれていましたが、衣装の生地を木の切れ目にはさみ込んで作るところから「木目込人形」と呼ばれるようになり江戸に伝わりました。
概要
工芸品名 |
江戸木目込人形 |
よみがな |
えどきめこみにんぎょう |
工芸品の分類 |
人形・こけし |
主な製品 |
節句人形、歌舞伎人形、風俗人形 |
主要製造地域 |
さいたま市、春日部市、東京都/文京区、台東区、墨田区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区 |
指定年月日 |
昭和53年2月6日 |
特徴
木目込人形とは、桐の粉をしょうふ糊で固めた桐塑(とうそ)で作った型に、筋彫りをし、そこに布地をきめ込んで(挟んで着付けて)作るものです。
作り方
人形のよしあしは顔で決まってしまうと言われるほど、頭作りは最も熟練した腕を必要とする工程です。まず桐の粉としょうふ糊を練ったものを型で抜き、乾燥させ、生地を作ります。この後何回も塗りを重ね、目、鼻、口、を小刀で切り出し、さらに上塗りをして肌の艶を出すために磨きます。そして、細い筆で眉や目を描き、頬に紅をさし、口紅を入れます。最後に髪の毛を植えて結い上げ、頭が完成します。