江戸指物
江戸の町で発達した江戸指物は、木目の表情を主役に据え、見た目には華奢でありながら、堅牢に仕上げるのが特徴です。江戸指物の技術は、無垢材ならではの気難しさをなだめ、実用的な美へと昇華させる仕事なのです。指物職人は、無垢の木材にとことん手をかけ、極力狂いのない木製品製作を心がけています。
概要
工芸品名 |
江戸指物 |
よみがな |
えどさしもの |
工芸品の分類 |
木工品・竹工品 |
主な製品 |
箪笥、机、台、棚、箱物、火鉢、茶道・邦楽用品 |
主要製造地域 |
台東区、荒川区、足立区、葛飾区、江東区 |
指定年月日 |
平成9年5月14日 |
特徴
朝廷用・茶道用が発達した京指物に対し、江戸指物は、武家用、商人用および江戸歌舞伎役者用のものが発達したことが特徴です。木材の木目の美しさ最大限に生かし、あまり装飾的になることを避け、すっきりとした造形と堅牢な作りで江戸の粋を表現しています。特に、御蔵島の桑材は、「島桑」と呼ばれて最高の材料であると評価を受けています。
作り方
板材や棒材を、釘を使わずに、ノミや小刀などを使って凹凸を彫り込んで組み合わせることによって作られます。また、板面の縁に手作りの小ガンナでさまざまな面を取ることもあります。 出来上がった品物からは組み手の中は見えませんが、外からは見えないところほど技術を駆使して作り上げられていますので、とても堅牢で数十年使い続けることが出来ます。