江戸和竿
江戸和竿は、天然の竹を用いて作られる継ぎ竿で、江戸時代中期に江戸で作られ始めました。江戸時代の後期には、美術工芸と呼べる域にまで達し、今日の江戸和竿が完成しました。
江戸前の海やきれいな河川にも恵まれ、遊び心をたっぷり持った、江戸に暮らす人々の釣竿への要望に応えた研究の結晶が江戸和竿です。
概要
工芸品名 |
江戸和竿 |
よみがな |
えどわざお |
工芸品の分類 |
木工品・竹工品 |
主な製品 |
釣竿 |
主要製造地域 |
栃木県/塩谷郡高根沢町、埼玉県/川口市ほか、千葉県/市川市ほか、東京都/千代田区ほか、神奈川県/横浜市 |
指定年月日 |
平成3年5月20日 |
特徴
江戸和竿は実用品で、釣る魚の種類や釣りをする場所によって使いやすさも違い、人によって好みもあります。これらの条件を満たしたものに、美しい漆塗りを施しています。
作り方
材料は日本の天然の竹で、主にホテイタケ、ハチク、ヤダケ、マダケ等が使われます。竿のよしあしは材料で決まります。制作者は自分で竹を刈り取ったり、数千本の中からわずか数本の竹を選び出したりするほど、材料の竹にこだわります。竹は数年寝かせて乾燥させたものを磨いてから使います。江戸和竿は継ぎ竿ですから、その継ぎ数だけ原料となる竹を用意します。どの竹を何番目に使うかを考えて揃えます。工程は、矯(た)め、継ぎ、糸巻、塗り等です。