肥後象がん
寛永9(1632)年肥後国主として入国した細川忠利侯に仕えた林又七が、鉄砲や刀の鐔に象がんを施したのが祖とされます。
江戸時代この林家のほか平田家・西垣家・志水家・神吉家などにより、肥後鐔の名品が数多く残されています。明治9年(1876年)の廃刀令以降は、装身具や装飾品に転じ、日常生活の変化に対応した製品が作られています。
概要
工芸品名 |
肥後象がん |
よみがな |
ひごぞうがん |
工芸品の分類 |
金工品 |
主要製造地域 |
熊本市 |
指定年月日 |
平成15年3月17日 |
特徴
肥後象がんは鉄等の生地に鏨で切目を入れ、金銀を打ち込んで仕上げる布目象がんの他、彫り込み象がん、据もの、切り嵌め等の技法があり、「重厚」かつ「渋さ」が特徴です。黒字に金銀が映える品格ある製品作りがされています。
作り方
鉄等の生地にさまざまな模様の下絵を描き微細な布目状の切目を入れ、金銀の板を鹿の角で打ち込み、金銀に細かな毛彫りを施します。表面に秘伝の錆出し液を塗り均一な錆を生じさせ、お茶でたいて黒くし、錆止めを行います。