伊賀くみひも
伊賀くみひもの始まりは古く、奈良時代以前にまで遡ると言われています。
平安時代には唐組(からくみ)の平緒、経巻、華篭(けこ)、幡飾(はたかざり)等の仏具、神具等に凝った紐が用いられるようになりました。武士階級の時代になると甲冑や刀剣の紐が多く生産されるようになり、武具類を中心とするくみひも文化が生まれました。廃刀令が出て、武家社会が崩壊してからは、江戸時代の伝統くみひもの技術は和装に欠くことのできない帯締め、羽織紐として親しまれています。
概要
工芸品名 |
伊賀くみひも |
よみがな |
いがくみひも |
工芸品の分類 |
足袋・組みひも・刺繍 |
主な製品 |
帯締め、羽織紐、ネクタイ |
主要製造地域 |
伊賀市、名張市 |
指定年月日 |
昭和51年12月15日 |
特徴
美しく染め上げられた絹糸、その一筋一筋が交わり合い、くみひも独特の風合いと味わいを作り出します。その技法は古来より伝えられてきたものです。
作り方
糸を量りにかけ、例えば帯締めの場合は、作ろうとする紐の本数分の糸を重さで分けます。くみひものデザインにより色見本に忠実に染め糸繰りします。その糸を経尺枠に巻取ります。経尺枠の外周は5尺(約150センチ)、帯締め一本分は8尺5寸(約250センチ)ですからこれで丈の本数を整えます。八丁という「撚(よ)りかけ車」で撚(よ)りをかけ、角台(組み上げ用)、丸台(組み下げ用)、綾竹台(平紐用)、高台(高級な紐用)等の台を用いて組み上げます。