加賀繍

加賀繍
加賀繍は室町時代初期に、加賀地方への仏教の布教とともに、主として仏前の打敷(うちしき)・僧侶の袈裟(けさ)等、仏の荘厳(しょうごん)という飾りとして京都から伝えられました。
江戸時代には、将軍や藩主の陣羽織、持物の装飾等にも用いられるようになりました。また奥方たちの着物にも使用され、気高い美しさが喜ばれました。
文化学問を重んじ奨励した加賀藩の歴代藩主の手厚い保護により、「加賀の金箔」「加賀の友禅」と並ぶ「加賀の繍い」として、独自の発展と完成を見ました。

概要

工芸品名 加賀繍
よみがな かがぬい
工芸品の分類 足袋・組みひも・刺繍
主な製品 着物地、帯、袱紗(ふくさ)、衝立、掛軸、装飾用額
主要製造地域 金沢市、能美市、白山市
指定年月日 平成3年5月20日

特徴

加賀繍の特色は、金糸や銀糸をはじめ多種多様の絹の色糸を、一針一針手で繍い上げて描く模様や絵の美しさにあります。華やかで温かみのある美しさには、加賀百万石の奥ゆかしさと、厳しい風雪に育まれた加賀人の「誇り」と「真心」が繍い込められています。

作り方

繍加工は、15種類におよぶ伝統的な技術・技法を用い、生地に気品ある繊細な格調高い文様を一針一針、刺し込んで完成させます。