金沢箔

金沢箔
金沢の金銀箔の歴史は、戦国時代後半、現在の石川県南部を中心とした地域を支配していた加賀藩の藩主前田利家が、朝鮮の役の陣中から国元へ箔の製造を命じる書を送っていたというところまで遡ることができます。
江戸幕府は箔座を設け全国の箔の生産と販売を統制していましたが、明治維新後、幕府の統制がなくなったのを機会に金沢箔は技術的にも量的にも大きな発展を遂げました。
高品質の箔の生産により、国内においては独占的な箔の産地としての地位を保っています。

概要

工芸品名 金沢箔
よみがな かなざわはく
工芸品の分類 工芸材料・用具
主な製品 神社仏閣、仏壇仏具、織物の金糸・銀糸、漆器の蒔絵・沈金、陶磁器の絵付け、屏風(びょうぶ)・襖(ふすま)紙・壁紙、看板・金文字・水引き・表具用
主要製造地域 金沢市、小松市他、富山県/富山市、小矢部市
指定年月日 昭和52年6月8日

特徴

箔は極めて薄く、金箔では厚さ1万分の1~2mmです。このためどんな複雑な模様の材料にも箔押しができ、そのうえ原料である金の輝きは少しも失わず、その美しさと華やかさは人々の心を惹きつけて止みません。

作り方

金箔は金を原料とし、これに少量の銀を混ぜた合金を作り、ロール圧延機(あつえんき)で100分の1mmまでに押しのばします。次に澄打紙(すみうちし)に挟んで1000分の1mmまでに打ちのばして「上澄(うわずみ)」を作り、最後にこの「上澄」を箔打紙に挟んで箔打機で打ちのばして、箔に仕上げます。