金沢漆器

金沢漆器
江戸時代に、現在の石川県を中心とした地域で力を持っていた加賀藩は、美術工芸の振興に力を入れていました。
かつて江戸時代初期の藩主が、桃山文化を代表する「高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)」の高名な作家、五十嵐道甫を指導者として招いたことから金沢漆器は始まりました。その他に江戸からも印籠蒔絵(いんろうまきえ)の名工等も招かれ、加賀蒔絵の伝統を築き上げていきました。このように加賀藩によって育成された金沢漆器は、貴族文化の優美さに力強い武家文化が加わった独特の漆工芸となりました。

概要

工芸品名 金沢漆器
よみがな かなざわしっき
工芸品の分類 うるしの器
主な製品 室内調度品、茶道具、花道具
主要製造地域 金沢市、野々市市、河北郡内灘町
指定年月日 昭和55年3月3日

特徴

金沢漆器は江戸蒔絵、京蒔絵とともに並び称される加賀蒔絵だけではなく、木地部門・塗り部門のそれぞれが高い技術を駆使して製作され、今なお、加賀百万石の遺風を感じさせます。

作り方

主に原材料にイチョウ・ヒノキ・アテ等の木を使用し、木地工程、変わり塗り工程、平蒔絵、高蒔絵(たかまきえ)、研出蒔絵(とぎだしまきえ)等の加飾工程を経て、優雅な金沢漆器が出来上がります。