春日部桐簞笥

春日部桐簞笥
江戸時代初期、日光東照宮を作るために集まった職人が、日光街道の宿場町である春日部に住みつき、周辺で採れるキリの木を材料とした指物や小物を作り始めたのが始まりであると伝えられています。
江戸時代中頃の文献に、10人ほどの業者が記されていることや、「明和9年(1772年)」の裏書きのある桐箪笥が現存すること等から、すでに産地の形が整い始めたのがうかがえます。

概要

工芸品名 春日部桐簞笥
よみがな かすかべきりたんす
工芸品の分類 木工品・竹工品

特徴

江戸の昔から、質実剛健な武士文化に育まれて来ただけに、無駄な飾りを廃した地味で質素な外観と、直線を基調にしたデザインが特徴です。

作り方

製造工程は大まかに「原木製材」「本体加工」「各部加工」「着色加工」「金具取付」に分かれます。桐箪笥の命である素材の美しさを存分に引き出すため、板の加工にはたっぷり手間暇をかけます。十分に自然乾燥させたキリの木の無垢板(むくいた)を使い、接合部には伝統技法を使い分けて頑丈に組み立てます。