川辺仏壇
仏教とゆかりの深い川辺地方では、鎌倉時代の初めに現在の鹿児島県の南部で力があった河辺氏と、壇ノ浦で敗れた平家の残党が、川辺町清水の渓谷を中心に、供養や仏教の伝道にいそしんでいました。
彼らによって作られたと言われる、数々の塔や墓形、梵字(ぼんじ)を刻んだものが、約500mの岸壁に残されています。1200年には河辺氏の菩堤寺が建てられ、仏教はますます盛んになりました。
このようなことから、素朴ながらも川辺仏壇の技術・技法が確立されたものと思われます。
概要
工芸品名 |
川辺仏壇 |
よみがな |
かわなべぶつだん |
工芸品の分類 |
仏壇・仏具 |
主な製品 |
金仏壇 |
主要製造地域 |
南九州市 |
指定年月日 |
昭和50年5月10日 |
特徴
川辺仏壇は、7つの分業体制により製作された総合工芸品です。木地、宮殿(くうでん)、彫刻、金具、蒔絵、塗り、仕上げの各部門の職人たちの技術の粋を集め製作された仏壇は、細部まで手が入れられ堅牢で価格も手頃です。
作り方
スギ、マツ等を木地の材料とし、天然本黒塗りの後、純金箔や純金粉を使用し仕上げます。 木地作り、宮殿作り、彫刻作り、下地、漆塗、蒔絵、箔押し、飾り金具、総組立ての各製作工程を経て完成します。