喜如嘉の芭蕉布

喜如嘉の芭蕉布
芭蕉布は、13世紀頃にはすでに作られていたと考えられますが、人々の間に広まったのは近世になってからのことです。
家の庭や畑に芭蕉の木を植え、主婦や娘たちが自家用の布を織っていました。19世紀に入ると絹や綿が出回るようになりましたが、あいかわらず芭蕉布は人々に親しまれていました。この伝統を受けついでいる喜如嘉の芭蕉布は、昭和49年に国指定の重要無形文化財の総合指定を受けています。

概要

工芸品名 喜如嘉の芭蕉布
よみがな きじょかのばしょうふ
工芸品の分類 織りもの
主な製品 着物地、帯、座布団、ネクタイ、袋物、のれん、テーブルセンター
主要製造地域 国頭郡大宣味村
指定年月日 昭和63年6月9日

特徴

糸芭蕉からとれる繊維を利用して織り上げる芭蕉布は、沖縄の代表的な織物です。江戸時代には夏裃(なつかみしも)として人気がありました。軽くてさらりとした肌触りが独特で、盛夏の着物として現在も広く愛用されています。

作り方

3年間育てた糸芭蕉の茎を4種類に分け、木灰(もくはい)で炊き、竹ばさみでしごいて不純物を取り、繊維にします。1m足らずの繊維を細かく裂いて機(はた)結びにし、一本一本つないでいきます。撚(よ)りをかけ、絣結びをして天然染料で染めます。手織りの後、また木灰で精錬し、米酢に浸してから洗い、手のばしで仕上げます。芭蕉布は畑での原木の栽培から始まり長い工程を経て布になります。