紀州漆器
室町から戦国時代に現在の滋賀県付近の木地師の集団がこの地に住みついて、豊富な紀州ヒノキを木地に、木の椀の製造を始めました。
それが椀の木地に渋下地を施す渋地椀の製造につながりました。江戸時代になって一層漆工も盛んになり、渋地椀の一大産地として、全国にその名が知られるようになりました。紀州漆器は最初「黒江(くろえ)塗」と呼ばれ、その後生産量が増えてから紀州漆器として広まり、現在に至っています。
概要
工芸品名 |
紀州漆器 |
よみがな |
きしゅうしっき |
工芸品の分類 |
うるしの器 |
主な製品 |
盆類、菓子鉢器類、食器類 |
主要製造地域 |
和歌山市、海南市、海草郡紀美野町 |
指定年月日 |
昭和53年2月6日 |
特徴
日常生活で気軽に使える漆器が主体で、全体的にシンプルでがっちりとした印象があります。黒江塗、根来(ねごろ)塗は代表的な塗りの一つです。
作り方
漆器には色々な種類があり、簡単な丸盆を例にとってみると、木地の工程、塗りの工程、加飾の工程を合わせて50~70工程になり、乾燥日数を含めると、出来上がるまでに約3カ月はかかります。また伝統的な漆器を作る場合、木地職人、下地職人、漆職人、蒔絵職人と、それぞれ専門の仕事に分かれており、熟練には10年位かかります。