木曽漆器
始まりは17世紀の初頭です。もともと豊富な木曽のヒノキを使った木地作りが盛んな土地柄で、江戸時代に尾張徳川藩の手厚い庇護を受けて発達しました。
木曽の漆器は中山道を通る旅人の土産物として人気がありました。
明治時代初期に地元で下地作りに欠かせない「錆土(さびつち)」粘土が発見されたことから、他の産地より堅牢な漆器が作られるようになりました。
概要
工芸品名 |
木曽漆器 |
よみがな |
きそしっき |
工芸品の分類 |
うるしの器 |
主な製品 |
座卓、盆、膳、重箱、そば道具、花器、家具 |
主要製造地域 |
松本市、塩尻市、木曽郡木曽町 |
指定年月日 |
昭和50年2月17日 |
特徴
木肌の美しさを生かす「春慶塗(しゅんけいぬり)」、幾層もの漆によりまだら模様を表わす「堆朱(ついしゅ)」、彩漆(いろうるし)で幾何学模様を作り出す「塗り分け呂色塗(ぬりわけろいろぬり)」に特色があります。
作り方
「春慶塗」は、ヒノキ材の天然のままの持ち味を表現するため、漆を摺(す)り込む方法を使います。「堆朱」は、地元産の錆土によって堅地下地(かたじしたじ)を作り、その上に色漆を幾層にも塗り、それを研いで、縞模様を出します。「塗り分け呂色塗」は、違う色の漆を模様に合わせて塗り分け、表面を磨いて仕上げます。