京石工芸品

京石工芸品
石と人間生活との関わり合いは、遠く石器時代から始まります。奈良時代後期、仏教の伝来によって石造文化が生まれました。
その後の石造美術の発展とともに、貴重な文化的石造工芸品が作り出されました。比叡山麓、白川の里からは良質の花崗岩(かこうがん)が切り出される等、材料にも恵まれた京石工芸品は、千年もの間文化の中心であった京都の土地柄に支えられて、他の地方には見られない石工芸の技術を築き上げ、現在にまで伝えています。

概要

工芸品名 京石工芸品
よみがな きょういしこうげいひん
工芸品の分類 石工品
主な製品 石灯籠、鉢物、挽臼(ひきうす)、層塔(そとう)、彫刻物
主要製造地域 京都市、宇治市、亀岡市、向日市、八幡市
指定年月日 昭和57年3月5日

特徴

京石工芸品は、ほとんどが庭園装飾用で1人の石工(いしく)がすべての工程を手がけています。用途や形により様々な製品が作られています。特に石灯籠は桃山時代以後、茶道の流行に伴い日本庭園の欠かせない主役となっています。

作り方

石灯籠、層塔、鉢物、挽臼、彫刻物と種類によって異なりますが、それぞれ共通して「原石加工」「成形」「彫刻」「仕上げ」という工程に大きく分けられます。これらのいずれの製法にも、古くからの伝統的技法が使われています。屋外に設置する製品のため、特に気を使うことはありませんが、衝撃を与えると欠けたりひびが入ったりすることもあります。石灯籠の設置は庭等の周囲の環境と調和するように工夫することが大切です。