京繍

京繍
京繍は、平安京が造られた時、刺繍をするための職人をかかえる織部司(おりべのつかさ)という部門が置かれたのが始まりとされています。
江戸時代中期に、宮崎友禅斉が友禅染めを完成させるまで、刺繍は、鹿の子絞、摺(す)り箔とともに布地を加飾するための重要な方法でした。特に、経済力を持つようになった町人たちによって作り出された、「寛文文様」と呼ばれる新しいデザインの表現の中で、刺繍は重要な役割を果たしました。奈良県の興福院に伝わる掛袱紗(かけふさ)は、格調高い江戸中期の作品を代表するものと言えます。

概要

工芸品名 京繍
よみがな きょうぬい
工芸品の分類 足袋・組みひも・刺繍
主な製品 着物地、羽織、旗幕、緞帳(どんちょう
主要製造地域 京都市、宇治市
指定年月日 昭和51年12月15日

特徴

絹織物、麻織物に絹糸、金銀糸等を用い、伝統の高度な技法を用いて刺繍し、華麗で雅やかな平安の香りを伝えています。

作り方

現在使われている京繍の技法は約30種類あります。基本的な技法は繍切り、駒使い繍、まつい繍、刺し繍、渡り繍、菅繍(すがぬい)、割り繍、組紐繍(くみひもぬい)、相良繍(さがらぬい)、竹屋町繍、芥子繍(けしぬい)、鎖繍(くさりぬい)等15種類です。