京扇子
扇の始まりは平安時代初期に遡ります。当時使用されていた「木簡」という木の細く薄い板を何枚かつなげて、現在の扇の形にしたものが始まりだと考えられています。
薄いヒノキ板を重ね綴ったことから「桧扇(ひおうぎ)」と呼ばれる扇です。次に竹と紙で出来た「紙扇」が作られ、13世紀頃には中国へ輸出されました。それがさらにヨーロッパへと伝わり、西洋風の扇になりました。ヨーロッパに根づいた扇がその後日本へ逆輸入され、「絹扇(きぬせん)」を生み出しました。
概要
工芸品名 |
京扇子 |
よみがな |
きょうせんす |
工芸品の分類 |
その他の工芸品 |
主な製品 |
招涼持ち扇(しょうりょうもちおうぎ)、儀式扇、芸事扇、飾り扇 |
主要製造地域 |
京都市、宇治市、亀岡市、南丹市 |
指定年月日 |
昭和52年10月14日 |
特徴
良く吟味された材料の竹や紙を用いた、確かな手仕事から生まれる小さな工芸品には、表面的な美しさだけではなく、その風合い、持ち味等、実用品こそが持つ様々な「美」があります。
作り方
一般的な紙扇の場合は、扇面(せんめん)和紙に箔、砂子、上絵等の飾り付けを施し、折り型を用いて骨の数に合わせて折り目を付けていきます。その後扇骨の通る隙間を地紙にあけ、糊を付けて中骨を差し込みます。最後に親骨と言われる両端の骨を糊付けします。