村上木彫堆朱

村上木彫堆朱
新潟県の村上地方は、平安時代から天然の漆の生産地として、広く知られています。
村上木彫堆朱は、15世紀の初めに、京都の漆器職人が中国の堆朱を真似て、木彫の上に漆を塗る技法として始め、その技法が村上地方で寺院を建てたときに伝えられたものです。最初に寺院を建てた宮大工が技術を覚え、江戸時代になるとその技術は武士の間にも伝わり、そして町民の間に広まって今日に至りました。

概要

工芸品名 村上木彫堆朱
よみがな むらかみきぼりついしゅ
工芸品の分類 うるしの器
主な製品 重箱、盆、茶器、花器、菓子器
主要製造地域 村上市
指定年月日 昭和51年2月26日

特徴

木製木地に細かい彫刻をすることを得意とし、その彫刻をより引き立たせる漆塗りの技術が独特です。村上木彫堆朱は、堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)、朱溜塗り(しゅだまりぬり)等6種類の技法の総称です。代表的な技法である堆朱は、朱の上塗りを艶消しで仕上げた、落ち着いた肌合いを特徴としています。

作り方

最初に木地を作る職人がホオノキ、トチの天然の木を使って木地を作ります。次に彫刻する職人が木地に直接下絵を描き、木彫を施します。その後、漆を塗る職人が天然の漆だけを使って漆塗りを行います。塗りは18~20工程で、完成前に再び彫刻する職人の手で細かい部分の毛彫りを行います。