名古屋仏壇
あつい仏教信仰に支えられ、早くから仏壇作りの技が育っていたこの地方では、江戸時代初期にはすでに専門店が存在していました。
これら大問屋は株仲間を形成し、職人集団として技を磨き、伝統的な技術・技法を育んで来ました。
明治の初めには組合が作られ、全国各地で開かれた産業博覧会等に名古屋仏壇は出品されました。そのことによって商圏を拡大し、大きな産地として成長したのです。現在では二百数十を数える事業所が存在し、多くの伝統工芸士によって仏壇が作られています。
概要
工芸品名 |
名古屋仏壇 |
よみがな |
なごやぶつだん |
工芸品の分類 |
仏壇・仏具 |
主な製品 |
仏壇 |
主要製造地域 |
名古屋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市他 |
指定年月日 |
昭和51年12月15日 |
特徴
名古屋仏壇には各宗派にあったそれぞれの様式があります。優美な浄土を具現したものや禅風を感じさせる落ちついた作品等、その技術の確かさを誇っています。また、高台という台の部分の中等に、用具一式が収納できる合理性は名古屋仏壇の特徴です。
作り方
木地師(きじし)、荘厳師(しょうごんし)、彫刻師、内外飾金具師(ないがいかざりかなぐし)、塗師(ぬし)、蒔絵師、箔押師(はくおしし)等八職(はつしょく)と称する専門職が各部をそれぞれ担当して作り、ほぞ組によって組立てられます。細部にわたって行き届いた技法が駆使されています。分解、部分補修、「お洗濯」と称する再生が可能です。