名古屋桐簞笥

名古屋桐簞笥
名古屋桐簞笥は約400年前、名古屋城の築城に携わった職人たちが城下町に住みついて、箪笥や長持等を作ったのが始まりと言われています。徳川幕府の全国統一の後、人々の暮らしや経済が安定してくると、織物の生産が急増し、衣服も豊かになりました。高級呉服が一般の人々の手に入るようになるのとともに、それまでの収納家具にかわって機能的で合理的な箪笥が必要になってきました。
また、名古屋は豊かな森林資源を持つ飛騨地方に近く、飛騨桐という全国でも屈指の良材に恵まれていたことがその発展を大きく促しました。

概要

工芸品名 名古屋桐簞笥
よみがな なごやきりたんす
工芸品の分類 木工品・竹工品

特徴

他の産地のものと比べて20cm程度幅が広く、昇箪笥の右下に小引出しが付いています。金具は金や銀の着色が施され、「袋戸(ふくろと)」には金箔画や漆塗蒔絵が描かれる等、豪華なものが多くみられます。

作り方

工程は大まかに、造材、木取り、加工、加飾、金具付け等に分けられ、130余りの工程を1人の職人で作ります。キリ無垢板(むくいた)を使用し、各部材の接合は伝統的な組み接ぎ(くみつぎ)法を用い、仕上げはカルカヤの根を束ねた「うずくり」という道具を用いて磨き、矢車附子液(やしゃぶしえき)と砥の粉(とのこ)を混ぜて着色した後、蝋(ろう)で磨きます。