名古屋節句飾

名古屋節句飾
江戸時代から継承されている伝統的技術に裏打ちされた衣裳着人形等は、19世紀には節句飾の先進地京都に優るといわれたほど工芸的に発展し、その技法は1916年に確立しました。主な原材料も1903年から継続的に使用されています。
産地内では、多岐にわたる技術者を有しており、一貫生産体制を構築しています。雛人形、五月人形等により子どもの誕生を祝い、健やかな成長を願う節句行事が一般家庭に普及したことにともない、中部地域の地の利を活かして東西の嗜好に適う多様な製品を産み出し、全国に販路を拡大しました。

概要

工芸品名 名古屋節句飾
よみがな なごやせっくかざり
工芸品の分類 人形・こけし
主な製品 (人形)雛人形・五月人形・風俗人形・市松人形 、(幟旗類)武者絵幟・鍾馗旗・鯉のぼり、(雪洞)雪洞・燭台
主要製造地域 名古屋市、岡崎市、岐阜県岐阜市他
指定年月日 令和3年1月15日

特徴

名古屋節句飾は、3種類の工芸品「人形・幟旗(のぼりばた)類・雪洞」から成ります。
(人形)京都と東京という二大産地に拮抗するとともに、東西の折衷様というべき様式が特徴です。
(幟旗類)他所に見られない名古屋独特の大幟や腹部を鮮やかな黄色とした「黄腹の鯉」が特徴です。
(雪洞)美濃和紙、小原和紙などの良質の和紙や、木曽檜、松などの木工素材が豊富で折りたたみ不可など形状変更のできない火屋(ホヤ)物、火屋物提灯などが特徴です。

作り方

(人形)頭づくり・胴づくり→衣装づくり→着せ付け→振り付け→仕上げ→完成
(幟旗類)枠掛け→筒引き→染め・天日干し→水洗い→裁断・縫製・口輪付け→完成
(雪洞)火屋づくり→骨づくり→組み立て→塗り→内貼り→絵付け→金具装着→完成