浪華本染め
浪華本染めは、模様手拭を量産化する目的で、明治時代に大阪で開発された日本固有の染色法です。一般に注染と呼ばれており、表裏両面から染めるので、糸の芯まで染まり、風合いのある染め上がりになります。この染色法を応用したゆかたが評判を呼び、全国に広まりました。現在は、手拭い、ゆかたのほか、アロハシャツ、コースター、日傘など各種日用品に用途は広がっています。
概要
工芸品名 |
浪華本染め |
よみがな |
なにわほんぞめ |
工芸品の分類 |
染めもの |
主な製品 |
手ぬぐい、ゆかた |
主要製造地域 |
堺市、柏原市 |
指定年月日 |
令和元年11月20日 |
特徴
江戸時代から大阪は手拭いの大産地でした。明治20年ごろに、防染糊を置いた生地を重ねて、その上から染料を注ぐ染色法が大阪で誕生しました。明治時代の職人たちは、工夫を重ね、多色染めの「差し分け」や「ぼかし」、「細川」といった染色技法を考案し、手染ならではの伝統色の、和の風合いを醸し出す染色技法を磨き上げました。その染色技法は浪華本染めとして受け継がれています。
作り方
糊置き職人は板場(いたば)、染色職人は壺人(つぼんど)と呼んでいます。板場は、型枠を操作し、防染糊を置いて、一型ごとに折り畳んでいきます。この糊の置き方で染まり具合が決まります。糊置きした生地の束を壺人が染めます。防染糊の土手を引いて差し分けやぼかしの技法で染めていきます。染めた生地は余分な糊や染料を洗い落として天日干しされ、ゆかたや手拭いに仕上げます。