鳴子漆器

鳴子漆器
江戸時代の初期に、現在の宮城県鳴子町にあたる地域を支配していた領主が、地元の漆器職人と蒔絵職人を京都に修行にやって、鳴子漆器の振興を図ったとされています。
18世紀後半の書物には塗物、箸、楊枝等が産物として書かれていて、漆器が鳴子の主要産物だったことがわかります。

概要

工芸品名 鳴子漆器
よみがな なるこしっき
工芸品の分類 うるしの器
主な製品 盆、茶托(ちゃたく)、重箱、菓子器
主要製造地域 大崎市
指定年月日 平成3年5月20日

特徴

透明な漆を使って木地の木目を見せる「木地呂塗(きじろぬり)」や、木地に漆を何度もふいて染み込ませ、漆の色だけを表面に残して仕上げる「ふき漆仕上げ」があります。また、独特の技法を使ったものに、墨を流したような模様を作り出す「竜文塗(りゅうもんぬり)」があります。そのほか、伝統的な「塗立て(ぬりたて)」技術による製品には、しっとりとした美しさがあります。

作り方

製造工程は、木地造り、下地造り、塗漆、加飾の4工程に大きく分けられます。木地造りはろくろを使った挽物、重箱のような角物、薄い板を曲げて作る曲物の3種類があります。そのあと、漆本下地(うるしほんしたじ)、錆(さび)を使った錆下地、渋下地等で下地を作り、黒い漆を塗って表面をとぎます。これに刷毛の跡や、ほこりが付かないように、仕上げの漆を塗り、そのまま乾燥させる「花塗(はなぬり)」、または、仕上げの漆を塗った後表面を磨く「ろいろ塗」を施して完成させます。また、蒔絵によって加飾をする場合もあります。