大堀相馬焼

大堀相馬焼
大堀相馬焼は江戸時代初期(1690年)に作り始められたと言われています。当時その地方を治めていた相馬藩が、焼き物作りを保護、育成したため、江戸時代末期には100余りの窯元が並ぶ、東北地方で一番大きな産地になりました。
明治時代になると、他の仕事に変わる生産者が出て来たこと等から少しずつ数が減り、現在では24軒の窯元が焼き物を作り続けています。これらの窯元は300年の伝統を守りながら、21世紀に向けて新しい製品を作り出す努力をしています。

概要

工芸品名 大堀相馬焼
よみがな おおぼりそうまやき
工芸品の分類 陶磁器
主な製品 茶器、酒器、花器、灰皿
主要製造地域 双葉郡浪江町
指定年月日 昭和53年2月6日

特徴

青磁釉という青みのある透明なガラス質で、表面をおおった陶器を主に作っています。ひび割れが模様のように器全体をおおっていることから「青ひび」と呼ばれており、このひび割れ模様が、作品を親しみやすいものにしています。青磁釉の主な原料である砥山石はこの産地のみで採れる原料です。青磁釉の他には、灰釉(かいゆう)、あめ釉(ゆう)、白流釉(しろながれゆう)等を使っています。

作り方

地元の陶土を陶器作りの材料に使っています。この土を水に入れて泥水にし、粘土として使うものと不要なものとにより分けます。より分けた泥を乾燥させて粘土を作り、良く練った粘土をろくろにのせ、手作りで形を作ります。 形が出来たら仕上げをして陰干しにし、完全に乾いたら約950度の温度で素焼をします。素焼の済んだものに絵を付けていきますが、このとき描かれる「走り駒」と呼ばれる馬の絵はこの産地だけにある絵のかたちです。絵の描かれた器に釉薬(ゆうやく)をかけてもう一度窯に入れ、1,250~1,280度の温度で焼いて仕上げます。