信州紬

信州紬
信州紬の始まりは、奈良時代に織られていた「あしぎぬ」まで遡ります。
江戸時代初期には、信州の各藩が競って奨励したことから、養蚕が盛んになり、信州全域が紬の織物産地として栄え、毎年京都へ大量の紬が送られていました。
しかしその後紬織物の生産は下火になり、昭和の中頃までは、技術保存の名のもとに、わずかに続けられていたにすぎませんでした。戦後、県や市町村が紬織物の復興に力を入れたため、県下全域で生産が活発になり、高級な反物として、信州紬の名声も次第に高まりました。

概要

工芸品名 信州紬
よみがな しんしゅうつむぎ
工芸品の分類 織りもの
主な製品 着物地、帯、羽織
主要製造地域 長野市、松本市、上田市、岡谷市、飯田市、駒ヶ根市他
指定年月日 昭和50年2月17日

特徴

主な商品は、着物用の「反物」と「帯地」の2つで、様々な色柄のものが生産されています。特に、100%山繭で作った山繭紬はここだけの特産品です。

作り方

信州紬は、先染めの平織物です。経糸に使用する糸は生糸または山繭糸、さなぎが2個入っている繭からたぐり出した玉糸、真綿の手紡ぎ糸(てつむぎいと)のどれかとし、緯糸には玉糸か真綿の手紡ぎ糸を使い、緯糸の打ち込みには手投げ杼(ひ)を用います。また、絣糸の染色は手括(くく)りによります。