信州打刃物

信州打刃物
16世紀後半に起きた川中島合戦当時、この地方を行き来して武具・刀剣類の修理をしていた刃物作りの職人から、里の人々が鍛冶の技術を習得したのが始まりと言われています。
19世紀前半には、鎌作りを専門にしていた職人が、「芝付け」「つり」の構造を考案しました。同じ頃、別の職人が両刃鎌を片刃の薄刃物に改良しました。この二つの鎌が現在の信州鎌の原型となっています。

概要

工芸品名 信州打刃物
よみがな しんしゅううちはもの
工芸品の分類 金工品
主な製品 鎌、包丁、なた
主要製造地域 長野市、千曲市、上水内郡信濃町、飯綱町
指定年月日 昭和57年3月5日

特徴

1本1本の鎌・包丁は鍛造された後、打ちのばされるため強靱な刃物になります。鎌は、刃の巾が広く「芝付け」「つり」により柄を水平に持っても鎌身が斜めに立ち、刈り取られた草を手元に寄せられるのが特徴です

作り方

刃物になる鋼を炉で熱し、鎚(つち)打ちによる打ちのばし、打ち広げをして形を作ります。鎌は片刃で、「芝付け」「つり」、なたは、片刃なたには樋という細長い溝を付けます。焼き入れは、泥塗りという作業を行い急冷します。刃を付け、研いで仕上げる作業は手作業で行います。