駿河雛具

駿河雛具
駿河雛具は、16世紀、今川氏が現在の静岡県の駿河の大名であった時代にすでに生産されていました。温暖多湿な気候と、久能山東照宮や浅間神社の造営等をきっかけに全国から導入された高度な技術を応用して、江戸時代に定着した漆器作りの一分野として雛具作りが発達しました。
木地、漆、蒔絵、金具等の工程を分業化することで、手工芸でありながら、大量の製品を作ることができました。さらに、江戸や京都等の大消費地の中間にあるという有利な立地条件を活かして発展してきました。

概要

工芸品名 駿河雛具
よみがな するがひなぐ
工芸品の分類 人形・こけし
主な製品 ひなまつり・端午の節句飾り、ミニュチュア製品
主要製造地域 静岡市、焼津市、掛川市
指定年月日 平成6年4月4日

特徴

唐草・花鳥山水等華麗な蒔絵が、ひなまつりの飾り物としての駿河雛具を際立たせています。指物、挽物等の木地も細部にわたって緻密に作られています。例えば掌に乗る針箱一つをとっても、引き出しまできっちり箱状に作られているのが特徴です。

作り方

各工程ごとに分業化された熟練した職人の手で作られ、メーカーがそれら工程をまとめ仕上げをして製品化されます。作業の流れは指物・刳物(くりもの)等の木地作り、塗り、蒔絵、金具付け、仕上げになります。