高岡漆器

高岡漆器
高岡漆器は、江戸時代の初めに、加賀藩の藩主前田利長が、現在の富山県高岡市に高岡城を築いたとき、武具や箪笥、膳等日常生活品を作らせたのが始まりです。
その後、中国から堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)等の技法が伝えられ、多彩な色漆を使って立体感を出していく彫刻塗、錆絵(さびえ)、螺鈿(らでん)、存星(ぞんせい)等多彩な技術が生み出されました。高岡漆器が、町人文化の中にしっかりと根づき栄えてきたことは、高岡の祭で使われる絢爛豪華な御車山(みくるまやま)にこれら漆器の技が集められていたことからもうかがえます。

概要

工芸品名 高岡漆器
よみがな たかおかしっき
工芸品の分類 うるしの器
主な製品 盆、箱物、室内調度品
主要製造地域 高岡市
指定年月日 昭和50年9月4日

特徴

長い伝統に培われ、伝えられた技の代表的なものとして、うるみ色の地に玉石を貼り、錆絵(さびえ)を描く「勇助塗(ゆうすけぬり)」、多彩な色漆を使って立体感を出していく「彫刻塗」、あわびや夜光貝等、虹のような輝きをもった貝殻を使って、山水や花鳥等を表現する「青貝塗」があります。

作り方

高岡漆器には「勇助塗」、「彫刻塗」、「青貝塗」の代表的な技法があります。板を組み合わせて作る指物、薄い板を曲げて作る曲物、ろくろを使った挽物に大きく分けられる漆器木地に、各技法を使った加飾が施されます。下地塗り、中塗りの堅牢な作業と、精巧な仕上げ塗りで、高岡漆器は作られます。