高山茶筌

高山茶筌
室町時代中期、高山領主の子息が、茶道の創始者でもある村田珠光の依頼によって作ったものが始まりです。
以後、その製法は城主一族の秘伝とされ、代々後継ぎのみに「一子相伝」の技として伝えていましたが、後になってその秘伝は、主だった16名の家来に伝えられることとなり、今日まで脈々と伝えられ、現在では、奈良県の高山が全国で唯一の茶筌の産地になりました。

概要

工芸品名 高山茶筌
よみがな たかやまちゃせん
工芸品の分類 木工品・竹工品
主な製品 茶筌、美術品、コーヒーの泡立て用
主要製造地域 生駒市
指定年月日 昭和50年5月10日

特徴

高山茶筌は120種類もあり、茶道の流派と、薄茶用、濃茶用、献茶用、野点(のだて)用、茶箱用等の用途によって、素材や形、穂の数等が異なります。また、茶筌の味削りという工程のでき具合により、お茶の味が微妙に異なります。

作り方

原竹をそれぞれの寸法に切り、穂となる部分を、流儀や用途によって、60本~240本に小刀で細かく割り、それを湯の中で暖め、竹の台の上で内側から小刀で、穂先になるほど徐々に薄くなるように削り、へらでしごき、穂を曲げます。穂の両角を1本おきに面取りし、面取りした穂を1本おきに編み上げていきます。編み上がった茶筌を最後にきれいにして仕上げます。この間すべて手作りで行います。現在8工程で仕上げています。