多摩織
現在の八王子にあたる地域では、平安時代末頃から絹が織られており、滝山紬や横山紬といった織物がありました。
室町時代後期、多摩川のほとりにやってきた北条氏が、領民の産業として奨励したことで産地として形が整いました。明治以降は文明開化によって技術が急速に発展し、さらに独自に技術を開発したことで、今日の多摩織の基盤が築かれました。
概要
工芸品名 |
多摩織 |
よみがな |
たまおり |
工芸品の分類 |
織りもの |
主な製品 |
着物地、羽織、コート、袴 |
主要製造地域 |
八王子市、あきる野市 |
指定年月日 |
昭和55年3月3日 |
特徴
多摩織にはお召織(めしおり)、紬織、風通織(ふうつうおり)、変り綴(かわりつづれ)、綟り織(もじりおり)の品種があります。伝統的に渋い実用的な作品が多く作られてきましたが、最近では、洗練されたデザイン、新しい感覚、優れた技術をとり入れつつ、伝統的な手作業により特色のある優れた製品を産み続けています。
作り方
お召織は先染めまたは先練りの平織、綾織もしくは朱子織(しゅすおり)または変化織です。使用する緯糸は下撚(したより)の後、わらび粉及びひめ糊を手作業でもみ込み、八丁撚糸機(はっちょうねんしき)で右撚と左撚に同時に撚(よ)り上げます。撚られた糸で織った後、シボを浮き上がらせるために湯の中でもみ、幅出しして仕上げます。