丹波立杭焼

丹波立杭焼
日本六古窯のひとつに数えられ、その始まりは平安時代末期と言われています。桃山時代までは穴窯が使用されていましたが、その後、現在使われている登り窯に変わり、同時期に取り入れられた「蹴(け)ろくろ(この産地独特の左回転ろくろ)」とともに、伝統技術を今日に受け継いでいます。
当初は壷やかめが主製品でしたが、江戸時代に小堀遠州らの指導により、茶器類に多くの名器を生み出すようになりました。

概要

工芸品名 丹波立杭焼
よみがな たんばたちくいやき
工芸品の分類 陶磁器
主な製品 食器、酒器、茶器、花器、置物、植木鉢
主要製造地域 丹波篠山市、三田市、加西市
指定年月日 昭和53年2月6日

特徴

灰釉(かいゆう)や鉄釉(てつゆう)等による、飾り気のない野趣味たっぷりな暮らしの器を作り続けています。登り窯で焼く作品では、焼いている時に燃料の松薪の燃えた灰がふりかかり、釉薬(ゆうやく)と溶け合って窯変(ようへん)し、「灰被り(はいかぶり)」と呼ばれる独特の色や模様が現われます。この現われ方は一つ一つ違います。

作り方

製作工程は、粘土の調整、成形、加飾、絵付け、釉掛け、本焼に大別されます。形は主にろくろで作りますが、たたら、手ひねり、押し型といった技法も使われています。どれも一品ごとに粘土を台の上にとって仕上げる「一品作り」です。釉薬をかけない場合は登り窯または穴窯で焼き上げます。