東京手描友禅

東京手描友禅
江戸時代中期、武家政治の中心として文化や経済がともに栄えた江戸には、「くだりもの」と言われる関西方面からの産物が、たくさん集まってきました。こうした時代の流れにのって大名のおかかえ染師(そめし)等が多く江戸に移り住むようになり、
各種の技法が伝えられました。町人が経済の主導権をにぎるようになるとともに、町人文化が発達して、粋やさびといった感覚が一般的になり、模様絵師による手描友禅が発展しました。

概要

工芸品名 東京手描友禅
よみがな とうきょうてがきゆうぜん
工芸品の分類 染めもの
主な製品 着物地、羽織、帯
主要製造地域 特別区全域他
指定年月日 昭和55年3月3日

特徴

江戸は当時から現代まで、大消費地として洗練されたファッションが求められてきました。東京手描友禅は、そうした土地柄を背景に色数をおさえた粋なデザインを特色とし、地味な感じの中にも明るい色調と新しさのあるデザインを特徴としています。

作り方

東京手描友禅には、大別して糸目友禅、蝋纈染(ろうけちぞめ)、無線描(むせんがき)の3通りの技法があります。いずれも防染技法による染色です。現在は、染上がりに、白い糸のような線が鮮やかに浮き上がる糸目友禅が主流です。