豊橋筆
江戸時代後期に、現在の豊橋市にあたる地域を支配していた吉田藩の藩主が、京都の職人を、藩のために筆を作る御用筆匠(ごようふでしょう)として迎え、下級武士に副業として筆作りを奨励したのが始まりです。
明治初年、芯巻筆(しんまきふで)を改良した、現在の筆と同じ作りの水筆の製法で筆が作られるようになり、豊橋筆の基礎となりました。現在筆作りの職人375人が、伝統的技術・技法を受け継ぎ、筆作りに励んでいます。
概要
工芸品名 |
豊橋筆 |
よみがな |
とよはしふで |
工芸品の分類 |
文具 |
主な製品 |
書道用筆、面相筆、日本画筆 |
主要製造地域 |
豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市他 |
指定年月日 |
昭和51年12月15日 |
特徴
豊橋筆は一般書道用筆が主体です。近年、値段の安い中国筆が進出しており、大きな打撃を受けています。しかし、日本人に向く高級品作りに全力を注いで、中国筆に負けないものを作っています。
作り方
筆作りの工程は約36工程です。大きく分けると、原料となる毛をより分け、毛もみをし、練り混ぜて毛を整えていきます。毛並みを揃えて芯を作りその外側に上毛(うわげ)として揃えた毛を巻き付け、軸を付け、軸に彫刻を施して完成します。豊橋筆の作り方の特徴は「水を用いて練り混ぜ」をすることです。長い歴史の中で培われた伝統的な技術・技法を受け継いだ、手作りによる優秀品ばかりです。