燕鎚起銅器

燕鎚起銅器
燕地方の銅器業は、江戸時代中期に、仙台の渡り職人がその技術を伝えたところから始まったとされています。地元の弥彦山から採れた銅を用いて、やかん類が生産されていました。
明治維新後は各地との技術交流が盛んとなり、彫金技術を含め美術工芸品としての地位を確立しました。これが今日の新潟県燕市の金属加工業の発展の基盤となりました。

概要

工芸品名 燕鎚起銅器
よみがな つばめついきどうき
工芸品の分類 金工品
主な製品 茶器、台所用品、酒器、文房具
主要製造地域 燕市
指定年月日 昭和56年6月22日

特徴

「鎚起」とは鎚(つち)で打ち起こすという意味です。一枚の平らな銅板を鎚で打つことを繰り返し、立体的な形に作り上げます。やかんのように注ぎ口のあるものの注ぎ口の部分まで打ち出すことのできる、高い技術があります。

作り方

銅器を鉄製の当金(あてがね)という道具に引っ掛け、鎚で打ちながら絞っていき、皿状から筒型へ、さらに袋形に成形していきます。その間に銅が硬くなるので火炉に入れて軟らかくする焼き鈍し(やきなまし)をします。これらの作業を交互に繰り返し、形が完成します。これに彫金等で加飾を施したり、鎚目(つちめ)模様で表面を整えた後、緑青(ろくしょう)と硫酸銅を合わせた液で煮込み着色します。