牛首紬
牛首紬の名は、その生産地である白山の麓の牛首村(現在の石川県白峰村)の地名に由来します。平安時代末期の平治の乱で敗れた源氏の落人大畠氏が、牛首村に逃れて来て山城をかまえた時、同行していた大畠氏の妻たちが機(はた)織りに優れていたため、その技を村の女性たちに教えたところから始まったと伝えられています。文献では江戸時代初期の「毛吹草」の記述が最初です。江戸時代後期には全国に広く販売されたと言われており、昭和10年前後に生産のピークを迎えました。
概要
工芸品名 |
牛首紬 |
よみがな |
うしくびつむぎ |
工芸品の分類 |
織りもの |
主な製品 |
和装用品、着物地、帯、小物類 |
主要製造地域 |
白山市 |
指定年月日 |
昭和63年6月9日 |
特徴
2匹の蚕が共同で作る玉繭(たままゆ)から作られる、太くて節のある玉糸を使って織り上げるのが特徴です。玉糸特有の節と独特の光沢は、白生地のままよりも、染め上げることで、野趣に富んだ優雅さと、素朴な民芸調の味わいが表れます。
作り方
玉繭の選別から始まり製糸、撚糸、精練、染色、製織等大きく分けて14の工程を、すべて手仕事による一貫作業で行い、その工程には伝統の技が生かされています。特に糸作りは製品の良し悪しを決定する重要な工程です。