若狭めのう細工
現在の福井県若狭の里、遠敷(おにゅう)は、若狭一の神社を頂く土地で、奈良時代に玉を信仰する鰐族(わにぞく)という海民族が、この地に来たとき、神社の前に鰐街道を作り、そこで玉を作ることを仕事としたのが、始まりと言われています。
江戸時代中期には、めのう原石を焼いて美しい色を出す技法が確立されました。19世紀になると、さらに工芸彫刻の技術が開発され、現在に至っています。
概要
工芸品名 |
若狭めのう細工 |
よみがな |
わかさめのうざいく |
工芸品の分類 |
水晶・めのう細工 |
主な製品 |
装身具、置物、茶碗、風鎮(ふうちん) |
主要製造地域 |
小浜市 |
指定年月日 |
昭和51年6月2日 |
特徴
めのうは、年輪状の模様を持った半透明で味わいのある石英という石です。この原石を200~300度で焼くと、美しく発色することに気づいた人達が、若狭独特の焼き入れの技法を作り上げました。非常に硬い原石に、時間をかけて彫刻・研磨を施し、愛らしい動物や仏像、香炉、杯、様々な装身具等に仕上げます。
作り方
めのう細工の工程は、大きく分けて石地取り、焼き入れ、彫刻・成形、磨きの4工程があります。模様等、それぞれの持ち味を生かして切断された原石は、焼き入れによって美しく発色し、貴石細工独特の技法で丹念に彫刻、研磨されて、繊細で味わい深い工芸品に生まれ変わります。