八重山上布

八重山上布
17世紀初めに現在の鹿児島県西部にあたる薩摩に琉球が侵攻され、課せられるようになった人頭税のために織ることを強制されたことが、八重山上布の技術の向上につながりました。
人頭税廃止後の明治の終わりに組合が結成され、産業としてたいへん盛んになりました。しかし、昭和の大戦で一時途絶えてしまい、戦後は数名でほそぼそと続けられていました。

概要

工芸品名 八重山上布
よみがな やえやまじょうふ
工芸品の分類 織りもの
主な製品 着物地、帯、タペストリー、のれん
主要製造地域 石垣市、八重山郡竹富町
指定年月日 平成1年4月11日

特徴

図柄は他の沖縄織物と同じ琉球絣を用います。緯糸は手紡(つむ)ぎの苧麻(ちょま)で織られ、植物染料で染められ、手織りで生産されているので、微妙に色彩等が異なり、一つとして同じものはありません。また肌触りが良く、涼しげで夏用の着物として最適です。

作り方

糸は年に数回取れる苧麻の手紡ぎ糸を用い、染めは全国的にも知られる手括(くく)りの技法に加え、石垣島が北限と言われる紅露(クール)と呼ばれる植物染料を使い、捺染(なっせん)による染色も行われています。最後に海水に5時間ほどさらして仕上げます。