四日市萬古焼
約260年前、江戸時代中期の大商人に沼波弄山という人物がいました。茶の湯に詳しく陶芸を趣味にしていた弄山が、自分の作品が永遠に伝わるように願いを込め、「萬古不易(ばんこふえき)」の印を押したのが、萬古焼の名の由来です。こうして生まれた萬古焼は、弄山の死とともに一時中断してしまいましたが、江戸時代後期になって、再び焼かれるようになりました。
現代の四日市萬古焼は、そのときの技法を研究して明治時代の初めに焼かれたものがもとになっています。四日市萬古焼は、各時代の流れに沿った特色ある陶磁器を生産し続けています。
概要
工芸品名 |
四日市萬古焼 |
よみがな |
よっかいちばんこやき |
工芸品の分類 |
陶磁器 |
主な製品 |
急須、茶器、花器、酒器、室内置物 |
主要製造地域 |
四日市市、桑名市、鈴鹿市、いなべ市、員弁郡東員町、三重郡菰野町、朝日町、川越町 |
指定年月日 |
昭和54年1月12日 |
特徴
お茶を愛する人々に古くから親しまれている萬古焼の急須は、お茶の味わいを高めるだけでなく、使い込むほどに落ちついた独特の艶が現れます。
作り方
四日市の近くでとれる良質の陶土や陶石を原料にした粘土を使い、ろくろ、押し型、手ひねり等色々な技法で形を作ります。形が出来たら、そこに模様つけ、彫り等の飾りを付けます。こうして出来たものを釉薬(ゆうやく)を使わずに焼いたものが良く知られています。また、さらに上絵付けを施したものもあります。